走り湯は日本でも珍しい横穴式源泉で日本三大古泉の一つである。洞窟内は高さ150㎝ほどで奥行は約5mあるが、先が見えないほどの湯けむりが立ち込めており温泉サウナのように汗ばむ。源泉用の側溝には約70度の温泉水が毎分170ℓ湧き出ており、温泉成分によって岩が変色している。
開湯は、約1300年前に役行者・小角 (えんのぎょう・しゃおづぬ) が伊豆大島へ流罪になりこの地を訪れた際に走り湯を発見し、その近くに小屋を作って神仏に祈る修行をしたとされる。「走り湯」という名は、山中から山中から湧き出した湯が海岸へ勢いよく落ちる様からそう名付けられた。
その後、源頼朝や徳川家康らも浸かったとされ、泉質はカルシウム・ナトリウム-塩化物泉でミネラルをバランス良く含み、リウマチや神経痛、冷症などの効能がある。