明治百年記念展望塔(千葉県)/投稿者:natsuinstaさん
ベランダから(下丸子ガス橋)(東京都)/投稿者:新津 勝比古さん
3.絶景フォトコンテスト審査員のご紹介と総評
【特別審査員長】
佐々木広人(ささき・ひろと)さん
1971年、秋田県生まれ。海外旅行誌編集者を経て、1999年、朝日新聞社に入社。週刊朝日副編集長、アサヒカメラ副編集長などを経て、2014年4月からアサヒカメラ編集長を5年間務める。2019年4月からは雑誌本部長、現在はニュースサイト「
AERA dot.」編集長を兼務。第29回(2012年)新語・流行語大賞トップテンに選ばれた「終活」の名づけ親でもある。
佐々木審査員長の作品に対する見解
絶景のフォトコンテストということもあって、レンズワークやシャッタースピード、ピントの合う距離など、撮影の技量が非常に高いと感じる作品もありました。
こういったカメラの機能を理解して撮影している写真もあれば、恐らくスマホで撮っているだろうという写真もありましたが、まずもって「良い写真をきちんと撮影できているか」という点と、特別な技術がなくても「その瞬間に立ち会えた」ということが伝わる作品を優先に選びました。
例えば天体の写真は、腰をすえてものすごく遅いシャッタースピードでカメラを駆使すれば良い写真が撮れますが、それが持つ意味やその土地のご当地感のようなものも多少あったほうが良いと思い、いくつかチョイスさせていただいています。
写真を撮る技量を図るコンテストではなく、むしろこの瞬間が旅先や訪れた先で見れているんだという、現場にいなければ絶対に撮れない写真を優先しています。
私自身、カメラ誌を長くやっていたこともあり、ついテクニカルな部分に目が行きがちですが、今回はその点を抜きにして選定しております。
コンセプトである「身近な絶景」にはとても賛同しており、アサヒカメラ時代にずっと言い続けていたキーワードでもあります。
最近は加工などで作られた絶景が多く、世の中には沢山の絶景本が出ている中、リアルで質感を感じられてそこに行ったときに「裏切られない意味での絶景は、身近な足元にあるんだよ。」ということもお伝えできたらと思います。
いわゆる典型的な絶景というよりは、普段皆さんが旅をしていて何気ない風景や自分がいいなと思うものを撮られている写真が多い印象でした。むしろ、インスタ映えとは逆の動きもあり、身近な絶景がよく表現できていたなと思います。また、全体的に温度や湿度など空気感が出ていて、素直に被写体に向かっているのかなという感想をいただきました。