新潟県と言えば、コシヒカリに代表されるブランド米の一大産地として、その名が知られていますが、海と山に囲まれ、新鮮な海の幸、山の幸に恵まれた新潟は、「美食の宝庫」とも言われています。
また、新潟の自然がもたらした恵みは、美食だけではありません。実は、新潟には素晴らしい絶景スポットがたくさんあるってご存知でしたか?
今回はそんな新潟でぜひ堪能したい、おすすめの美食と絶景をご紹介します。
1.そば通を唸らせる、独特の風味と食感 - 新潟名物「へぎそば」
|へぎそばとは?
美味しい蕎麦作りに欠かせない、良質な水。良質な水に恵まれた新潟には、美味しいお米やお酒といった名産品の他に、独特の風味と強いコシ、そしてツルツルの食感が特徴的な「へぎそば」という、名物蕎麦があります。
へぎそばは、布海苔をつなぎに使ったコシの強い蕎麦で、へぎ(片木)といわれる器に盛り付けられることから、その名が付いたと言われています。
器のへぎに、一口づつ食べやすく盛り付けられているのが特徴で、この盛り付けの動作・形は「手繰り」と言い、織物の、絹糸の束をまとめる動作・形である「おかぜ(かせ繰り)」から伝わったとも言われています。
蕎麦のつなぎに使われている「布海苔」は、織物の産地として有名だった越後妻有地域(新潟県十日町市と津南町からなる地域)では、元々は織物の糊付けとして使われていたそうです。
元来、この地域では小麦の栽培が行われておらず、蕎麦のつなぎには自然薯や鶏卵などを使うのが一般的だったそうですが、身近にあった布海苔が蕎麦のつなぎに使えるのでは?と使ってみたのが、へぎそば誕生のきっかけと言われています。
布海苔がツルっとした喉越しと、コシの強い独特の食感を生み出していて、この美味しさは他の蕎麦では味わえません。
▲画像提供:小嶋屋総本店
|へぎそばを味わうならここ!1922年創業の老舗「小嶋屋総本店」
新潟に行ったら、ぜひとも食べたいへぎそば。県内には、へぎそばの有名店がたくさんありますが、おすすめは新潟県内では知らない人はいない、と言っても良いくらいに有名な「小嶋屋総本店」。へぎそばの本場、十日町市に本店を構える、1922年創業の老舗です。
▲画像提供:小嶋屋総本店
つなぎの布海苔以外、蕎麦粉のみで打上げた、小嶋屋総本店のへぎそばは、皇室に献上されたことがあるという由緒正しい蕎麦で、薬味がワサビではなく、カラシなのも特徴的です。
初めてへぎそばを食べる方は、ぜひともへぎそばの本場である、十日町市にある総本店で、本場の雰囲気を味わいながら、老舗のへぎそばの味を堪能してみてください。
2.作って楽しい、食べて美味しい!新潟の郷土菓子「笹団子」
新潟の定番土産の一つである、笹団子。芳しい香りのする笹に、あんこを包んだヨモギ団子は、古くから新潟県民に愛される郷土菓子です。
団子を頬張ると、笹のほのかな香りと、程良い甘さが口の中に広がり、その素朴な美味しさに思わずハマってしまいそうです。
甘いものが苦手な人でも難なく食べられ、笹の殺菌成分によって短期間なら保存が効くので、新潟旅行のお土産に、まさにピッタリな一品。
|出来たてホヤホヤの美味しさが味わえる、笹団子作り体験
最近では、家庭で自家製の笹団子を作る人も少なくなってきましたが、以前は一般家庭でも端午の節句や、田植えの時期に笹団子を作って食べる習慣があったそうです。
お土産屋さんの笹団子も美味しいですが、かつて家庭でよく作られていたという、自家製の笹団子も味わってみたいですよね?
越後湯沢の大源太山の麓にある、「体験工房大源太」では笹団子作り体験ができ、素朴で懐かしい笹団子を味わうことができます。旅行ついでに笹団子作りにチャレンジして、出来たてホヤホヤの笹団子の美味しさを体験してみてください!
『体験工房大源太』
【住所】新潟県南魚沼郡湯沢町大字土樽6399-1
【体験時間】9:00~16:00
【体験料金】笹だんご作り:4,720円(約1時間程度)
【定休日】毎週水曜日、元旦。祝祭日が水曜および8月の水曜日は営業します。
【アクセス】JR越後湯沢駅からバスで17分
【WEBサイト】http://daigenta-kobo.jp/sasadango/
3.新鮮な魚介類の美味しさと安さに驚き! - 寺泊魚の市場通り
新潟県の寺泊港や出雲崎港から水揚げされた鮮魚が集まる、寺泊魚の市場通り。鮮魚店が軒を連ね、お店には豊富な魚介類がずらりと並ぶことから、「お魚天国」とも呼ばれています。
店頭には寺泊名物の紅ズワイガニなどの魚介類から、塩辛といった水産加工品まで、豊富な品々が安価で売られており、安くて新鮮な魚介類を目当てに、多くの観光客が訪れる人気のスポットです。
休日には、県外からやってきた観光客などで、お店はご覧の通り大賑わい。店頭にずらりと並ぶ、名物の紅ズワイガニや新鮮な地魚、貝など、その種類の豊富さと値段の安さに、お客さんも思わず財布の紐が緩くなってしまうご様子。
店内にも、水揚げされたばかりの新鮮な魚介類が豊富に並んでいます。普段、スーパーでは見かけないような、珍しい魚も売っているので、見ているだけでも面白いです。
寺泊魚の市場通りは、何と言っても食べ歩きが楽しい!各店には、魚介類の浜焼きや、揚げ物、生牡蠣、カニ汁、サザエの磯焼きなど、その場ですぐ食べられる魚介グルメがたくさん!
店先に並ぶ、美味しそうな魚介グルメの数々を見ていると、あれもこれもと食べたくなること間違いなしです!
また、各店の二階には食堂もあり、新鮮な魚介類をふんだんに使った海鮮丼などが食べられますので、昼食は2階の食堂で、海の幸をぜひ堪能してみてください。
ただ、食べ歩きに夢中になり過ぎて、お昼時には「もう満腹、食べられない・・・」なんてことにならないよう、食べ歩きのペース配分には十分ご注意を!
4.情緒溢れる城下町・村上が誇る名物料理「塩引鮭」
▲画像提供:千年鮭 きっかわ
新潟県の最北端に位置する、村上市。城下町として知られる村上は、趣のある町屋が軒を連ね、情緒溢れる町並みが人気のスポットです。
村上の名物には、美味しい水と米で作られた地酒がありますが、古くから鮭加工を行う村上の特産品「塩引鮭」も大変有名で、「鮭の町」としても、その名が知られています。
|塩引鮭とは?
塩引鮭とは、村上に古くから伝わる製法で作られた鮭料理。原料は鮭と塩のみで、塩を擦り込み3日から1週間ほど寝かせた鮭を、約3週間ほど冬の寒風にさらして乾燥・発酵させ、鮭の旨味を凝縮させたもので、村上の気候風土でなければ作れないと言われている、名物料理です。
毎年11月から12月下旬に、乾燥・発酵させるため、軒先に塩引鮭がずらりと吊り下げられた光景は、村上の冬の風物詩となっています。
|村上の鮭文化を守る、鮭の専門店「千年鮭 きっかわ」
村上の鮭料理には、千年の歴史があり、その長い歴史の中で育まれてきた100種類にも及ぶ鮭料理が、現代に伝えられています。
さまざまな鮭料理の加工品を製造・販売する、鮭の専門店「千年鮭 きっかわ」では、化学調味料や防腐剤などの添加物は一切使用せず、天然素材を使って手間暇かけて作る、日本古来の調理方法で、鮭料理のさまざまな加工品を作っています。
築130年の町屋で営まれているお店は、見学可能(無料)で、店員さんの説明を聞きながら、町屋の内部と鮭が吊るされている風景を間近に見ることができます。
土間の天井には、大量の鮭が吊るされており、その数はなんと約1,000匹!圧巻の光景に思わず、圧倒されてしまいます。
店内では、塩引鮭や、鮭の酒びたし、鮭の生ハム、はらこの醤油漬けなど、さまざまな鮭の加工商品を購入することができますので、村上でお土産を買いたい方は、ぜひ立ち寄ってみてください。
『千年鮭 きっかわ』
【住所】新潟県村上市大町1-20
【営業時間】9:00~18:00
【見学】個人、小グループの場合、予約不要。団体のみ要予約。見学料:無料
【定休日】元旦のみ休業
【アクセス】JR羽越本線「村上駅」より徒歩で約20分
【WEBサイト】https://www.murakamisake.com/
|さまざまな鮭料理が味わえる「千年鮭 井筒屋」でランチを堪能
「千年鮭 きっかわ」から歩いて3分ほどのところにある、「千年鮭 井筒屋」は、「千年鮭 きっかわ」直営の鮭料理の専門店。
もともと旅籠であったという町屋を改装した店構えは、思わず写真に収めたくなるような、風情ある素敵な佇まいです。
▲画像提供:千年鮭 きっかわ
村上で街歩きを楽しんだ後は、やはり現地で美味しい鮭料理を味わいたいですよね?
こちらのお店では、千年の歴史を持つと言われる、村上の伝統的な鮭料理の味わうことができますので、村上で街歩きを満喫した後は、こちらでランチを堪能してみてはいかがでしょうか。
5.新潟の豊かな食文化が体験できるレストラン「むらんごっつぉ」
越後湯沢駅のすぐ近くにある、古民家風の温泉旅館「HATAGO 井仙」は、レストランやカフェ、お土産屋さんが併設している宿で、その2階にあるレストラン「むらんごっつぉ」は、宿泊していない方でも利用可能な、地元魚沼産の食材をふんだんに使ったランチやデイナーが楽しめるお店です。
店名の「むらんごっつぉ」とは、”村のごちそう”という意味で、こちらのお店では、地元の食材を使った美味しい料理を通じて、その背景にある雪国・新潟ならではの食文化を体験してもらうことを大切にしています。
地元魚沼産のコシヒカリや季節の野菜、川魚など、魚沼という土地だからこそ味わうことができる、美味しい料理の数々はどれをとっても、素材の持つ旨味が生かされており、料理人の繊細で丁寧な仕事ぶりが伝わってきます。
また、厨房の釜で炊かれ、御櫃に入れられて提供される、コシヒカリのご飯が艷やかでとても美味しく、多くの方が「美味しいお米を味わいたいなら、このお店!」と口を揃えるのも納得。
素材の美味しさを存分に引き出した美味しい料理と、雪国新潟の豊かな食文化を体験したい方に、ぜひおすすめです。
6.SNSで話題沸騰の絶景 「清津峡渓谷トンネル」
新潟の美食をたっぷり楽しんだ後は、絶景スポットめぐりもぜひお忘れなく!1つ目にご紹介するのは「清津峡渓谷トンネル」。
新潟県十日町の清津峡は、黒部渓谷、大杉谷と並ぶ日本三大渓谷の1つで、国の天然記念物にも指定されています。清津峡の見どころは、最近SNSでも注目を集める「清津峡渓谷トンネル」。2018年のリニューアルオープン時に、トンネル最奥部に新設された「パノラマステーション」は、床一面に湧き水が張られており、その水面に映り込む清津峡の景色は、まさにインスタ映え間違いなしの、幻想的な絶景です。
7.雲が流れ落ちる幻想的な絶景「枝折峠の滝雲」
新潟県の魚沼市といえば日本有数の米どころとして知られていますが、実は魚沼市の枝折峠という場所に、「滝雲」と呼ばれる世にも珍しい一期一会の絶景があります。
滝雲とは、大量に発生した雲が雲海となって、山の谷間にたまり、やがて山を越え滝のように流れ落ちる自然現象。夏から秋にかけての早朝に、気象条件が合えば見ることができる光景で、夜明け前後が最も綺麗に見えると言われています。
その時の気候によって発生する滝雲の形が違うので、まさに一期一会の絶景。一生に一度は見たい、幻想的な光景です。
8.約50万本のひまわりが作り出す絶景。津南町「ひまわり広場」
新潟県と長野県の県境にある、約50万本のひまわりが一面に咲き誇るひまわり畑。地元の方たちが自ら楽しむために、遊休農地にひまわりを植えたのが、この絶景が誕生したきっかけだったそうですが、今では毎年約7万人もの観光客が訪れる、津南町の人気観光スポットとなっています。
畑の中には迷路が作られており、咲き誇るひまわりの中を散策できるようになっています。大人の背丈ほどあるひまわりの中を歩いていると、つい童心に帰り探索に夢中になってしまいますよ!
ひまわり広場の開園期間は、例年7月下旬から8月下旬まで。夏に新潟旅行を計画している方は、このひまわりの絶景を体験しに行きましょう!
9.年間10万人が訪れる、ブナ林の絶景「美人林」
「美人林」は、新潟県十日町市松之山の一角にあるブナ林。立ち姿の美しいブナの木が生い茂ることから、地元の人々の間で「美人林」と呼ばれるようになったのが、その名の由来なんだそうです。
昭和初期には、木炭にするために山の木々が全て伐採され、裸山になってしまった過去があったそうですが、奇跡的に再びブナの木が生えだし、「美人林」という名が付けられるほど、美しいブナの木が生い茂る林へと変貌を遂げました。
現在では年間10万人もの観光客が訪れる、十日町が誇る人気観光地となっています。
10.約2万発の花火が夜空に咲く「長岡まつり大花火大会」
毎年8月2日、3日に開催される長岡まつり大花火大会は、日本三大花火の一つに数えられ、2日間で打ち上げられる花火の数は、約2万発!人口約27万人の長岡市に、2日間で100万以上の観客が集まる、日本屈指の人気を誇る花火大会です。
5箇所から一斉に打ち上げられる「ワイドスターマイン」や、花火の中心に不死鳥に見立てた光が現れる「フェニックス」など、他の花火大会ではなかなかお目にかかれない、大仕掛けの花火が堪能できます。
11.約4,000本の桜が咲き乱れる 「高田公園の夜桜」
新潟県上越市の高田公園は、江戸時代に築城された高田城の跡地に作られた公園で、夜桜の名所として全国的に知られており、その夜桜の美しさから東京の「上野恩賜公園」、青森県の「弘前公園」とともに、「日本三大夜桜」に数えられる、日本屈指の人気お花見スポットです。
毎年桜の開花に合わせて開催される「高田城百万人観桜会」には、100万人以上の観光客が訪れ、春の訪れを喜ぶ多くの人で賑わいます。
夜になると高田城と桜が、お堀の水面に映り込み、その幻想的な光景は思わず息を呑むほどの美しさです。
旅先での美味しい料理と、思わず見とれてしまうような美しい景色との出会いは、旅の醍醐味ですよね。
豊かな自然が育んだ豊かな食文化と、絶景が楽しめる新潟で、旅行の醍醐味を思う存分味わってみてはいかがでしょうか。