秋の絶景の主役と言えば、やはりモミジやカエデ、イチョウなどの紅葉・黄葉ですが、日本にはそれら以外にも、秋にしか見られない美しい植物の絶景がたくさんあります。
見上げて楽しむ「紅葉狩り」もいいけれど、もっと間近な視線で、日本の秋の彩りも堪能してみませんか?今回は秋にしか観られない植物の絶景をご紹介します。
1.巾着田の彼岸花(曼殊沙華)(埼玉県)
|日本最大級!500万本にもおよぶ妖艶な曼珠沙華の群生地
埼玉県日高市内を流れる高麗川(こまがわ)に囲まれるように広がる巾着田。
ほぼ円形に蛇行している川が長い年月をかけて作った直径約500m、広さ約22haの巾着形の土地で、秋になると敷地内の「曼珠沙華公園」では、赤い絨毯を敷き詰めたように曼珠沙華(まんじゅしゃげ)が咲き誇ります。
約3.4haの敷地におよそ500万本もの曼珠沙華が群生しているのは全国的にもとても珍しく、巾着田は日本一のスケールを誇ります。
花の見頃となる9月中旬〜10月上旬には、その燃え盛る炎のような独特な形や、濃く深い赤色の妖艶さに魅せられて多くの人が訪れます。
巾着田では見頃に合わせて「巾着田 曼珠沙華まつり」を開催。
地元のグルメや特産品を楽しめる出店やステージイベントなどが行われます。
※「曼珠沙華まつり」の詳細については、
こちらでご確認ください。
【見頃】9月中旬〜10月上旬
2.国営ひたち海浜公園のコキア(茨城県)
|丸くて可愛いコキアが染め上げる赤い丘の絶景
茨城県ひたちなか市にある「国営ひたち海浜公園」は四季を通じて色彩豊かな植物と触れ合える人気のスポット。
特に春に咲くネモフィラの絶景は有名ですが、秋の主役は丸い形が愛らしい、約32,000本コキア!
園内の「みはらしの丘」にあるコキアは、9月下旬頃から緑から赤色へとグラデーションしながら少しずつ変化し、やがて、10月中旬には一面を真っ赤に染め上げます。
こんもり丸いコキアが丘一面を埋め尽くす光景は、圧巻。
モコモコした毛糸玉を敷き詰めたような、ほんわか可愛い印象もありますね。
この時期に合わせて公園では「きて みて さわって コキアカー二バル」と銘打って秋を満喫できるイベントやグルメを用意しています。
【見頃】10月上旬〜10月中旬
3.面白山高原コスモスベルグのキバナコスモス(山形県)
|高原にひと足早い秋の訪れを告げるオレンジ色の絨毯!
キク科の一年草「コスモス」とドイツ語で山を意味する「ベルグ」を合わせた名前の面白山高原コスモスベルグ。
9月初旬になると、約7haの花畑にキバナコスモスが咲き乱れ、山形にひと足早い秋の訪れを告げてくれます。
キバナコスモスは一般的に知られているピンクや白のコスモスとは種類が異なり、コスモスよりも早くに開花するのが特徴。
一見、同じように見えるキバナコスモスですが、朱色に近いオレンジだったり、鮮やかな山吹色だったり、花びらも一重だったり八重だったりと、見比べてみるのも楽しみのひとつ。色々なんです。
高原の爽やかな風と、鮮やかなビタミンカラーが一面に広がる光景は、夏の疲れた身体にも心にもパワーをくれそうです。
4.遊園地ぐりんぱの天空のダリア(静岡県)
|関東・東海エリア最大級!約30,000株のダリアが咲き誇る花の祭典
静岡県裾野市、富士山二合目の大自然に広がる「遊園地 ぐりんぱ」。初夏から秋にかけて、富士山をバックに約30,000株のダリアが咲き乱れます。
ダリアは、花径8cmにもなる大輪の八重咲きで、品種によって花びらの形や色が異なります。ひとつひとつ個性的な花が、広い園内を埋め尽くす光景は壮観!
「天空の花畑」と呼ぶに相応しい、夢の国のような絵画のような美しさです。
また、8月下旬になると約16万本のコスモスが、9月中旬には約30万本のマリーゴールドが花開き、季節が進むにつれ、より一層華やかな花の園へと変わって行きます。
また、ダリアの開花に伴い毎年、花の祭典「天空のダリア祭り」が開催されます。
お祭り期間中は様々なイベントが用意されていますが、実はペットのワンちゃんも入場可能で、専用の撮影スポットも設けられているんです。
ご家族やお友達、ペットも一緒に大自然と花が織りなす天空の花園へ誘われてみて下さい。
【見頃】7月中旬~9月下旬
【住所】静岡県裾野市須山字藤原2427
【料金】おとな:1,200円、シニア:800円、子供:800円、ワンちゃん:800円
【営業日時】2018年7月14日~10月8日/平日:9:30~17:00、土・日・祝:9:00~17:00
【休業日】開催期間内は無休
【アクセス】JR「御殿場」駅からぐりんぱ行きバス約50分
【WEBサイト】http://www.tenku-hanabatake.com/
5.曽爾高原(そにこうげん)のすすき(奈良県)
|夕陽を浴びて黄金色に輝く美しいすすきの草原
三重県との県境に位置する、奈良県宇陀郡にある曾爾高原。倶留尊山のふもと、約40haの広さを誇る広大な高原です。
春から夏にかけては緑豊かな爽やかな草原ですが、10月上旬~11月下旬になると高原一帯がすすきで覆われ、銀色の穂が風にさやさやと揺れる風景へと変わります。
最も美しいのが、高原全体が黄金色に染まる夕暮れ時。夕陽を浴びて、ザワザワと音を立てながら前後左右にたなびくすすきの風景は限りなく優しく柔らかく、時間を忘れて立ち尽くしてしまうほど。
時間や天候に左右されますが、絶対観ておきたい絶景のひとつです。
【見頃】10月上旬~11月下旬
秋の植物は赤や黄色やオレンジなど、一見して似た色が多いですが、一方はどこかはかなく、切ない美しさを感じさせ、また一方では、パリッと元気を与えてくれる力強さもあり、心を揺さぶる美しい色彩をわたしたちに届けてくれます。
秋の植物ならではの絶景を、ぜひ観に出かけてみてください。